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生のヒントと転機の8章
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>プランド・ハップンスタンス理論 留意点

Planned Happenstance(偶然が起こるように布石を打とう)概念の説明に入ろうと思ったのですが、本日2004年3月17日付け日本経済新聞一面の『働くということ』を読んで思うことがありましたので、ちょっと脱線します。

 『「仕事が合わない」「人間関係が面倒」。大卒就職者の3割が3年以内に離職する。』
 そう書いてありました。いわゆる「七五三離職」です。

 このコーナーを見られている方の中には転職を考えておられる方もいると思います。若い方も見ておられるでしょうから、留意しておいてもらいたいことを先に述べておきます。
 それは、この概念を用いるには 「時期がある」 ということです。

 私は 26歳で就職しました。
 年齢ゆえ就職には苦労しましたので、採用していただけるだけでありがたいという気持ちでした。また、よき出会いでしたので、どんな仕事であれ与えられた持ち場でベストを尽くす。それしか考えていませんでした。

 工場に配属された初日、「なんだ学芸会をやってる」…それが、出会い頭の感想でした。
 配属部署の課長と先輩社員との間が地に落ちていることが一目で分かりました。
 どの組織にも、人間のしがらみはあります。
 そこに目を奪われてしまうと、3日後には同じ穴の狢になってしまっているでしょう。

 幸い私は、メット(ヘルメット)を被ってよく現場を歩きました。
 分からないことがあれば足を運び説明を聞き、業者が行う作業も一緒にしました。
 現場作業から想像されるヒヤリハットをイラストに描き、現場から喜ばれました。
 3年ほどして、航空写真を元に鳥瞰図(イラストマップ)を描きましたが、広大なプラントの全箇所に自分の足跡があるため、実感をこめて描くことができました。



 メーカーは在庫に始まり在庫に終わります。
 石油化学のプラントは、ユーザーとパイプでつながっているため、工場がくしゃみをすればユーザーは肺炎を起こしかねません。同様に原料の供給にトラブルがあれば、そのユーザーともども悲惨なことになります。
 いざとなればタンクのデッドエンドの在庫まで現場の神業で搾り出すこともあれば、ユーザートラブルにより出荷できない製品のタンクが溢れる危機を回避するため、急遽工場各部署との生産調整の打ち合わせに追われることもありました。

 ある時、営業から無理な船出荷の注文が来ました。
 船は少しでも風が強いと桟橋に着くことができません。
 船で入出荷する原料も製品もありました。特に輸入原料は海外から。年末年始もありません。
 当時は365日天気を気にせずに寝たことがありませんでした。
 化学反応による先端産業といいつつも、すべからく産業というものはお天気産業。
 天候と縁のないものはないと痛感したしだい。

 さて、その無理な注文は、台風が迫っている時でした。
 しかも、休日。作業の方に休出をお願いしなければなりません。天候と睨めっこしてやきもきしながら、なんとか実施した後に本社営業に丁寧に説明しました。
 人は常からの信頼関係があればやってくれます。が、天候とは喧嘩できません。
 無理な発注は、結果的にユーザー側に不利益となってブーメランのように返ってくることが理解できたようです。以降、その大お得意様からは無理な注文は来なくなりました。



 ワークステーションが導入され、私はプログラムに走りました。
 本社営業の出荷計画、それに合わせた工場の生産計画、生産に合わせた原料入荷計画・配船計画、原料製品をいつどのタンクにどう入れるかというタンクバランスの計画…それらをシュミレーションできる「プロセス管理型在庫一覧表」とでも言うべきものを作りました。
 この結果、それまで3人でやっていた仕事が1人になりました。

 輸入があれば、通関・保税業務があります。
 法律(揮発油税他)の勉強をし、通関業者のところへ押しかけ、その熱心さに全面協力してくれ、ついに、図示した作業の流れに即して日常業務と法律との相関が分かるようなフローイラストを作りました。

 そのうち課長も変わり、3年もすれば自分が最古参となります。
 4年目に入ると課の業務体系を自分で見直すことができます。
 見直しと同時に、ファイル体系を新規に構築しました。
 新人は、ファイルを見れば業務が分かるようになりました。
 仕事も整理されれば課の雰囲気もぐっと変わってきます。

 最後にやったのは、合併に伴う工場の廃業と設立です。
 税務署と3ヶ月近くもやりとりしました。

 長々と述べてきましたが、ここで言いたかったのは、その後のキャリアにつながる全ての事が、この最初の5年の経験の中に存在しているということです。
  
 
何らかの縁で、自分は 「今、ここ」 にいるはずです。
 また、 「今、ここ」 にいることについて、自ら何らかの選択しているはずです。
 今やっている仕事が、どのような仕事であれ、葛藤することも含めて、自分にとって何らかの学びの意味を持っています。


 
3日、3ヶ月、3年。節目です。そして、「何事も3年」。
 土地を耕しても、1年目は芽が出ず。2年目は虫や病に弱く。ようやく3年目にして、収穫のできる作物が取れる土壌になるようです。本当の芽(成果)が出るのはそこから。

 
先ずは、3年間。
 冷え切った石も、座り続けていればジワッと温まってくる期間。
 転機を焦る前に腹を据えてみてはいかがでしょうか。


 ただし、条件が一つ。
 しがらみの人間関係が、まぁ、通常見られる程度であればの話です。
 活力が低下している組織は、得てしてモラルハザードが蔓延しており、そこに居るだけでスポイルされる可能性があります。
 自分の心が危機を感じたのならば、撤退しましょう。
 この場合は、お早めに。

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