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「あきらめの壁をぶち破った人々」の一節に、主人公島津が、『背中にゾクリとしたものを感じた』場面があります。 今、目の前で起こっているのに『どこかでこの光景を見たことがある…』 そう、形は違えど本質的に同じ問題が、臆面もなく繰り返されているのを見た時です。 こういうデジャビュを何度も経験するようになると、“自分はここにいていいのだろうか”と思うようになります。 自分が生きるべき地平は自分で決めるしかありません。 |
あなたが今、崖にいるとしよう。 どのような状態でいるだろうか。どのような風景が見えるだろうか。 |
僕の場合。 グランドキャニオンのような崖の大地で、時は5月頃の快晴、暖かな日。 その崖の端に谷の方を向いて立ち、手を広げて、澄み渡る蒼空を見上げていた。 微風が肌に心地よく、自然に包まれているのを感じて不安はなかった。 ある女性。 穏やかな小さな湖。 崖といっても10m程度。 落ちないように柵があり、その柵の手前で向こう岸の家々を見ている。 向こう岸といっても泳いで渡れるくらいの近さだ。 危険防止の柵があり、落ちても助かる高さで、落ちた場合は泳いでいける距離、そして向かう先には助けてくれる人がいる。…慎重な上にも慎重なその女性の性格が、そのまま現れているようで僕はおかしかった。 ある男性。 身体は、崖から外に突き出て斜め45度。 今にも落ちんとしている一瞬。 身体は内陸を向き、目は誰か助けてくれる人がいないか探す。 しかし、視界には誰もいない。広漠たる不毛の大地。 助けを求めて精一杯伸ばされている手は虚空をつかむのみ…。 この男性は、孤立無援で会社の中で闘っていた―。 彼は会社に踏みとどまって生き残ることを望んでいる。 が、同時に社内に彼の助けになってくれる人がいないことも知っている。 そして、斜め45度の“迷い”の只中。 しかし、迷っていても落ちていくだけ…。 |