日本は「資源小国」だと言われます。 ではなぜ、資源小国日本に原油国以上の石油文明が花開いたのか? それは、エントロピーを低減する仕組みがない圏内に生命が存在し得ない事を考えれば答えが出てきます。 海の幸や山の幸に恵まれ、必要以上に冷暖房にエネルギーを必要としない土地と、 砂漠もしくは酷暑・酷寒の地とでは、生存条件が異なります。 後者は生存のための工夫が必要なだけではなく、エントロピーを低減させる仕組みも同時に必要としています。 気候に恵まれた日本は、人間のエネルギーを産業に注力できる余裕がありました。 さらに、莫大な石油エネルギーを消費してエントロピー(廃物・廃熱)を急激に増大させても、それを系外に排出して低減させてくれる新鮮な水・土・空気が豊富にあったのです。 広葉樹の森と四方を囲む海―この2つの大資源が日本の高度成長の下支えとなったのです。。 瑞穂の国日本は、世界に冠たる「エントロピー低減資源大国」だったのです。 かつての日本人は「水はただ」「水に流せばすむ」と思っていました。 水が全てのエントロピーを低減させてくれます。 スッキリするわけです。 当然のことのように、偉大な水の力に頼っていた(甘えていた)わけです。 しかし現在、新鮮な水や空気が売り物になっているということは、新鮮な水や空気は希少価値になってきたということを意味します。 つまり、最も大事な資源が枯渇し始めているということです。 原油国が石油を売って水を買っているような事が、ここ瑞穂の国でもなされる時代になったわけです。 |
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