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■前書き

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■大企業病の会社が舞台

 舞台となる会社は、あなたの会社と同じように大企業病に陥り、問題と不満を抱えながらも変化を拒んでいた会社です。
 その会社が、数々の企業が失敗に終わっているIT(情報技術)を用いたBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング 業務改革)を成し遂げました。
 抵抗勢力が次から次へと立ちはだかってきます。その中で、システム・業務プロセス・意識の三位一体の変革をどのように成し遂げたのでしょうか。

 中級産業カウンセラーであり、家族相談士(家族カウンセラー)でもある主人公は、個人に対する時は積極的傾聴で、組織に対する時は周囲の人々を巻き込んで改善するシステムズ・アプローチの考え方で、もつれた個人感情や組織感情をほぐしていきます。

その対応の過程で、抵抗勢力も含めた個人やプロジェクトチームがどのように自律していくのか、そのドラマは読んでのお楽しみです。


■物語の形式

 物語の形式にしたのは理由があります。
 知恵は、状況の中で気づきを伴った学習によってしか身につけることができません。
 "気づきを伴う学習"のことを、私はOJE(On the Job Education)
と勝手に呼んでいますが、 これはメンタリングやコーチングなどフェース・ツー・フェースの関係でなされるものです。

 しかし、小説という形式をとることで、その文脈において主人公とその仲間のとる行動を学ぶことにより知恵を身につけることができると思うからです。
 そのため、事実を基にしていますが、ストーリーは分かりやすいように再構成(フィクション化)しています。


■登場人物

 登場人物も個性豊かに類型化しました。
 主人公は、「軍隊型」上司のパワーハラスメントに泣き、「お神輿型」上司の不作為の罪に怒り、「思いつき突進型」上司に翻弄され、「団塊型」上司の重荷を背負い、「プレイングマネージャー型」上司へ管理職としての自覚を促そうと格闘します。

 また、「課題設定型」「与件遂行型」「現実調整型」の三つに分かれた改革を推進するメンバーと、どのように信頼関係を築いていったのか。

 そして、システム導入後にボスがしっかりしないために部下が「クーデター型」「日和見型」「サイレントマジョリティ型」の三つに分かれ、崩壊の危機に陥ったときにどのように立て直していくのか、大いに参考にしていただくことを願っています。


■家庭と会社

 同時に、あなたが父親であるならば、家庭においてどの上司モデルであるかも少し振り返ってみてほしいと思います。
 会社でされているいやなことを、家庭では自分がしているということがないでしょうか。
 会社も家庭もチームです。チームマネジメントの要諦は変わりません。
 カウンセリングのシーンもあるので参考にしていただければ幸いです。


■読むメリット

 少し具体的に、本書を読むメリットを書いておきます。
 物語の中軸をなす「ITを用いたBPR」は、今や企業の命運を握るものとして認識されていて、 成功へ導くためのさまざまな情報が氾濫しています。
 ものの本には "挫折なき業革プロジェクトの条件"として、トップのコミットメント、具体的なゴール設定、クロスファンクショナルなメンバーの専任、破綻なき開発作業などが共通して挙げられています。

 しかしながら、トップは事務局任せで、導入する仕組みの具体像が分かる人間はおらず、集められたメンバーは部門代表であり、開発作業は様々な要求に翻弄されて、結局使われないシステムができあがるというのが大方の現実の姿ではないでしょうか。
 主人公もまさにそういう現実の中からスタートしました。


■現実への落とし込み方

 では、どのようにその"現実"をものの本に書かれてあるような"理想"に落とし込んでいけばよいのでしょうか。
 これまでは、その改革のためのWhat(戦略)が書かれていても、 How(現実への落とし込み方)が書かれている本は少なかったように思います。
 とくに経営者やコンサルタントの立場から書かれたものはあっても、プロジェクトを担う事務局の立場から見て実践的な参考になるものはありませんでした。
 本書では、チェンジリーダー(事務局)のどのような働きかけが 組織行動(変革)をおこしていくのかということに焦点を当てて、 チェンジマネジメントのノウハウ、プロジェクトマネジメントの具体的スキルを提供しています。


■読んで欲しい人

 ですから、組織および風土改革の担当者となり、壁にぶち当たって困っている方には是非読んでいただければと思います。 きわめて参考になる現実解(現実的な解答)を得られると思います。

 経営者の方には改革に踏み出す前に読んでいただきたいと思います。
 風土および組織改革においてどのような難問がありそれをどのように突破しなければならないのか、 その全プロセスを理解することが、覚悟を決める上で必要と思うからです。
 最後にものを言うのは、覚悟を決めた経営者の胆力です。

 そして、コンサルタントの方は、企業へのコミットのありようを学んでほしいと思います。
 成功に導くには、コンサルタント、ITコーディネーター、チェンジリーダー三者の一体となった協力が不可欠です。 今後は、どこまでコミットするコンサルタントかが厳しく問われてくると思います。
(以下、割愛)
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