〈やり方は一見時間がかかって遠回りのように思えるが、逆に効率はいい。 しかも、その効率はこの会議の場かぎりのものではない。 この場で出逢いが生まれれば、それ以降日常の会社生活の場でも交流が続くだろう。 問題など時々刻々変化して生まれてくる。 その時にものを言うのは、この忌憚なく話し合える人間関係だ〉 島津の脳裏に、新入社員教育後も事業場を超えて交流を続けていた面々の顔が浮かんだ。 組織の生産性のアップには、職制よりもインフォーマルな人間関係が大きくものを言うことが、 一九二〇年代後半に米国で行われた「ホーソン実験」で証明されている。 |