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2、ファシリテーションの効果

3)群を抜いて成果を出した会議

 優秀な人間を集めれば成果が出る?
 では、バッター4番級を集めたジャイアンツは結果を出せたか?―お分かりでしょう。
「組織的総合力」とか、「組織の生産性」というものは、優秀な個々人を集めれば結果として出てくるようなものではありません。
 10+10=20 ではないんです。一方、 8+7=100 にもなり得るんです。
 その差を生み出すものは何か?


 経営品質協議会のアセッサー認定研修(最終コース)でのことです。
 日本各地、大・中・小を問わず様々な企業・団体から派遣された60名が10Gに分かれて議論し、その後集まって各Gの発表を聞いていました。
 と、私のGの方が、
「発表内容を見ると、他Gに比べて非常に内容レベルが高く、全員が参加し、かつ本質に突っ込んだ議論が出来た」
 と感想を述べられました。

 そして、最後に私のGが発表をした時、 「良かった、1Gあった!」  と、講師の方が思わず感想を漏らしていました。  実際、講師が求めていた幾つかの視点が議論されていたのは、唯一当Gだけでした。(厳しい言い方をすれば、打率1割であれば研修のあり方なども一考が必要でしょう)



 ところで、 何が当Gとその他のGの"成果"を分けたのでしょうか。
 同じ課題、同じ時間。
 ランダムな人選で特に優秀な人が集まったわけでもありません。
 頑固な方もいれば、アバウトな方もいる。要するにあなたの隣にいる方々でした。

 会議の進め方についての講師の問いに対して、私のGの方が手を上げて
「中尾さんが、うまく導いてくれました」
 と、わざわざ言ってくれたのには私も驚きましたが、嬉しかったです。

 私がやったことは、「本質を押さえたファシリテーション」です。



『板書する際に島津は、再確認したり、言い換えたりしながら発言のポイントをつかんでいった。
 確かめることは『あなたの意見を受け止めているよ』というメッセージとなり、発言者は勇気づけられたように言葉を重ねた。

 また、聞き直すことで内容が明確になるため、それが呼び水となって他のメンバーからの意見が加速した。それらの意見を、みんなが目で確かめながら議論するため、空中を飛び交っている言葉を基に議論するよりも、議論に確かさが出てきた。(後略)』(「あきらめの壁をぶち破った人々」より)



 まさにこのような形で進めました。
 板書するということは、自分が方向性を握っているということです。
 つまり、板書することによりテーマから外れないよう留意しながら、満遍なく意見を出してもらう中で、議論が活性化し、質が高まっていきました。

 結果として、「普通の人々」から群を抜いた成果を出すことができたわけです。
 このケースの場合、チームが成果を出したポイントは次の2点です。

@チームにファシリテーターがいること
Aそのファシリテーターが、単なる触媒役ではなく、向かうべきゴール or ベクトル(方向性)を把握していること  

 この実例は、「本質を押さえたファシリテーター」がいれば、どんな組織でも結果を出せることを証明しました。

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