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プロジェクトのテーマの選び方

1.プロジェクトの本質は既存組織の破壊と再生

 いかなるプロジェクトでも、プロジェクトの本質は既存組織の破壊と再生である。
 であるから、本能的にプロジェクトに協力しようと言う人間はいない。
 逆に、自分の立場を守ろうとする頭の良い人間は、プロジェクトメンバーとして入り込み、内部からプロジェクトを骨抜きにしようと考えるものすらいるだろう。そういう人間が一人でもいると、もともとが歓迎されざるものであるから、すぐに頓挫してしまう。
 であるから、メンバーの人選は慎重にしなくてはならない(とはいっても、現実的にお望み通りのメンバーが揃うことは殆どない。そこをどうするかは別項にて)。

 さて、「プロジェクトの本質は既存組織の破壊と再生である」とはいっても、“破壊”を掲げて進むことは出来ない。そこで、「業務効率化」「品質向上」「生産性アップ」「顧客満足」などの“錦の御旗”を掲げ、それを達成する手段として「ERPの導入」や「TQC」「TPM」「CS」などの“プロジェクトテーマ”を与えるわけである。
“錦の御旗”は、社員を合意に導くために必要。
“プロジェクトテーマ”は、組織横断的に人を集めるために必要なものである。



 別の言い方をすれば、“錦の御旗”は問題の切り口であり、“プロジェクトテーマ”はその切り口からどのように入っていくかという手段である。
 組織を手術が必要な人体にたとえれば、“錦の御旗”はメスを入れる場所を示すマーカーであり、“プロジェクトテーマ”はメスである。

 留意すべきは、どのような“切り口”であれ、集められたメンバーが“切り口”に沿って議論する中で、必ずこれまで隠蔽されてきた問題が明るみに出されるということだ。
 なぜなら、どこからメスを入れようとも、組織にたまっていた膿は、どの切り口からでも噴き出すからだ。噴き出す膿の本質は同じなのである。これは、経験からくる実感である。

 そのため、これまで長い間捨て置かれていた問題がここぞとばかりに噴き出してくることにメンバー及び社員は耐えていかなければならない。かなりのエネルギーと集中力が必要になってくる。
 逆に言えば、どのようにメスを入れても膿が噴き出してくるのであれば、それに耐えられるよう、エネルギーを結集できるプロジェクトテーマを選択する必要があるということだ。

 ここに、プロジェクトテーマ選定の問題の本質がある。


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