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17、会社が変わらない理由

一方、島津は富樫が「犯人捜し」をして終わるのではまずいと思った。
 うまくいかないことをキャラクターなど個人の問題に帰してしまうのは実に簡単だが、彼らの発するメッセージをもろともに葬ることにより、組織が体質改善すべきチャンスを自ら奪うことになってしまうからである。

 自分が権力を振るえる強い立場にある人間は「犯人捜し」に走りがちである。
 意図的であるにせよ無意識であるにせよ、そこには自分に係累がおよばないよう「トカゲのしっぽ切り」をする心理が働いている。
 そのため、犯人を見つけては安易な異動という対策をとって、それでおしまいにしがちだ。



 また周りの者も、その組織のボスがそう言うなら仕方がない、本人も一緒にいても浮かばれないだろう、とあえてそれ以上の進言をしない。

 結局、組織が変わりうる自らのチャンスを逃がしてしまうのだ。

 これが日本企業がなかなか変わりえないことの本質なのである。

*「上司とけんかして勝てるわけねぇじゃねぇか」―そういう台詞が小説の中にも出てきます。
 が、その結果滅ぶ組織もあるわけです。
 事は個人対個人の問題ではなく、その組織に属する全員に関わる問題でもあるわけです。

 
どう闘えばいいのか? 

 その事例が小説には書かれています。

問題意識を持ちつつも身動きが取れないでいる方、是非読んでみてください。勇気が湧くと思います。

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